2011年 03月 04日
めぐりあう時間たち |
別々の時代、別々の土地。三者三様の登場人物が、「ダロウェイ夫人」をキーワードに展開する1日が、最後にアッと驚く交錯をみせる珠玉ドラマ。
この作品で、アカデミー賞を受賞したニコール・キッドマンの付け鼻メイクが話題になりましたが、なかなかどうして、ジュリアン・ムーア、終盤の老けメイクにも(指摘があるまで分からなかった位なので)おそれいったのでした。
重い、暗い、難解… との評判ゆえ、さわりだけ…のつもりでしたが、映画的な美しさに満ちていて、つい最後まで見てしまいました。なるほど、アカデミー賞受賞も納得の作品です。
俳優達の、渾身の演技のみならず、画面の美しさと音楽、衣装も印象的…
だけど、本当は「ダロウェイ夫人」、および、その作者のヴァージニア・ウルフのことを知ると、より深く味わえるんですってね。
個人的には、優しい夫、可愛い子供、あたたかい家庭がありながら、しかも妊娠中に、そこから逃げ出してしまう、ジュリアン・ムーアの演じる役柄に、驚いたのでした。(作ってる途中、いきなり捨ててしまった、夫のための青い誕生日ケーキは、かなり象徴的?)
それぞれに感じる、繊細な精神と、微妙に漂う同性愛の匂いは関係あったのでしょうか?
序盤から濃厚に、悲劇の匂いがしています
改めて「映画ならでは」の空気に納得
それにしても、アカデミー賞って、あまりハッピー・ドラマや、おとぎ話系は縁がありませんよね。不思議だなぁ…
(解説)
時を隔て、ヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』に関係する3人の女性たちそれぞれの人生を凝縮した運命的1日を綴った文芸ドラマ。ピュリッツァー賞を受賞したマイケル・カニンガムのベストセラー小説を、ニコール・キッドマン、ジュリアン・ムーア、メリル・ストリープの豪華女優陣の競演で映画化。監督は「リトル・ダンサー」のスティーヴン・ダルドリー。2002年のアカデミー賞でニコール・キッドマンが主演女優賞を受賞したのをはじめ、ゴールデン・グローブ賞作品賞&主演女優賞、ベルリン国際映画祭最優秀女優賞などを受賞。
1923年、ロンドン郊外のリッチモンド。作家ヴァージニア・ウルフは病気療養のためこの地に移り住み、『ダロウェイ夫人』を執筆していた。午後にはティー・パーティが控えている…。1951年、ロサンジェルス。『ダロウェイ夫人』を愛読する妊娠中の主婦ローラ・ブラウンは、夫の望む理想の妻を演じることに疲れながらも、夫の誕生パーティを開くためケーキを作り始める…。2001年、ニューヨーク。『ダロウェイ夫人』の主人公と同じ名前の編集者クラリッサ・ヴォーンは、親しい友人でエイズ患者の作家リチャードが栄えある賞を受賞したことを祝うパーティの準備に取りかかっていた…。
この作品で、アカデミー賞を受賞したニコール・キッドマンの付け鼻メイクが話題になりましたが、なかなかどうして、ジュリアン・ムーア、終盤の老けメイクにも(指摘があるまで分からなかった位なので)おそれいったのでした。
重い、暗い、難解… との評判ゆえ、さわりだけ…のつもりでしたが、映画的な美しさに満ちていて、つい最後まで見てしまいました。なるほど、アカデミー賞受賞も納得の作品です。
俳優達の、渾身の演技のみならず、画面の美しさと音楽、衣装も印象的…
だけど、本当は「ダロウェイ夫人」、および、その作者のヴァージニア・ウルフのことを知ると、より深く味わえるんですってね。
個人的には、優しい夫、可愛い子供、あたたかい家庭がありながら、しかも妊娠中に、そこから逃げ出してしまう、ジュリアン・ムーアの演じる役柄に、驚いたのでした。(作ってる途中、いきなり捨ててしまった、夫のための青い誕生日ケーキは、かなり象徴的?)
それぞれに感じる、繊細な精神と、微妙に漂う同性愛の匂いは関係あったのでしょうか?
序盤から濃厚に、悲劇の匂いがしています
改めて「映画ならでは」の空気に納得
それにしても、アカデミー賞って、あまりハッピー・ドラマや、おとぎ話系は縁がありませんよね。不思議だなぁ…
(解説)
時を隔て、ヴァージニア・ウルフの『ダロウェイ夫人』に関係する3人の女性たちそれぞれの人生を凝縮した運命的1日を綴った文芸ドラマ。ピュリッツァー賞を受賞したマイケル・カニンガムのベストセラー小説を、ニコール・キッドマン、ジュリアン・ムーア、メリル・ストリープの豪華女優陣の競演で映画化。監督は「リトル・ダンサー」のスティーヴン・ダルドリー。2002年のアカデミー賞でニコール・キッドマンが主演女優賞を受賞したのをはじめ、ゴールデン・グローブ賞作品賞&主演女優賞、ベルリン国際映画祭最優秀女優賞などを受賞。
1923年、ロンドン郊外のリッチモンド。作家ヴァージニア・ウルフは病気療養のためこの地に移り住み、『ダロウェイ夫人』を執筆していた。午後にはティー・パーティが控えている…。1951年、ロサンジェルス。『ダロウェイ夫人』を愛読する妊娠中の主婦ローラ・ブラウンは、夫の望む理想の妻を演じることに疲れながらも、夫の誕生パーティを開くためケーキを作り始める…。2001年、ニューヨーク。『ダロウェイ夫人』の主人公と同じ名前の編集者クラリッサ・ヴォーンは、親しい友人でエイズ患者の作家リチャードが栄えある賞を受賞したことを祝うパーティの準備に取りかかっていた…。
by noho_hon2
| 2011-03-04 14:29
| 映画
|
Trackback(3)
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Comments(0)
Tracked
from とんとん・にっき
at 2011-03-04 14:46
タイトル : 「めぐりあう時間たち」を再び観た!
1923年、ヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)は夫とともに、ロンドン郊外の田舎へ移り住む。静かな暮らしのなか、ヴァージニアは新作「ダロウェイ夫人」を書き始め、午後には姉とのティー・パーティが控えています。1951年、ロサンゼルス。「ダロウェイ夫人」... more
1923年、ヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)は夫とともに、ロンドン郊外の田舎へ移り住む。静かな暮らしのなか、ヴァージニアは新作「ダロウェイ夫人」を書き始め、午後には姉とのティー・パーティが控えています。1951年、ロサンゼルス。「ダロウェイ夫人」... more
Tracked
from *モナミ* SMAP・映..
at 2011-03-04 19:28
タイトル : 『めぐりあう時間たち』 巡る生と死
ニコール・キッドマンのやつれ具合にまず、 目を奪われてしまった。 あのブロンド美女の面影は、どこへやら。 執筆の重圧と、精神的な病を抱えた陰気な女流作家を、 体当たりで演じている。 その彼女が、ある小説を書き始めた。 書き出しは、 「ミセス・ダロウェイは言った。花は私が買って来るわ」 時代の違う3人の女たちの、ごく平... more
ニコール・キッドマンのやつれ具合にまず、 目を奪われてしまった。 あのブロンド美女の面影は、どこへやら。 執筆の重圧と、精神的な病を抱えた陰気な女流作家を、 体当たりで演じている。 その彼女が、ある小説を書き始めた。 書き出しは、 「ミセス・ダロウェイは言った。花は私が買って来るわ」 時代の違う3人の女たちの、ごく平... more
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from 映画、言いたい放題!
at 2011-03-07 14:41
タイトル : めぐりあう時間たち
ニコール・キッドマンとジュリアン・ムーアとメリル・ストリープが共演となれば 観るしかないでしょう。 映画館にて鑑賞。 1923年のロンドン郊外のリッチモンド、「ダロウェイ夫人」を執筆中のヴァージニア・ウルフは 神経症を療養中。 1951年のロサンジェルスで良き夫と子... more
ニコール・キッドマンとジュリアン・ムーアとメリル・ストリープが共演となれば 観るしかないでしょう。 映画館にて鑑賞。 1923年のロンドン郊外のリッチモンド、「ダロウェイ夫人」を執筆中のヴァージニア・ウルフは 神経症を療養中。 1951年のロサンジェルスで良き夫と子... more