2011年 11月 25日
ミツバチのささやき |
やはり、この美しい映像詩のような作品の最大の魅力は、ヒロイン、アナ・トレントの愛らしさに尽きますよね。(とくに、吸い込まれそうな瞳が素晴らしい)
じつは、初めて見た時は、あまりの評価の高さに期待が大きすぎ、その難解さ。淡々とした作風に、思わず( ̄_ ̄ i)となってしまったのですが
改めて見ると、シーンのひとつひとつ。台詞が美しい絵のようで、暗示的だなぁ… と、不思議な気分になってしまったのでした。風の音、姉妹のささやき、足音… 静かな物音が印象に残ります
アナとイザベル、ふたりの幼い姉妹が暮らす家は、夫婦仲が、いまひとつ、しっくりいってないみたい、だったし、(一説によると、スペインの政情不安を暗喩したのだとか)
フランケンシュタインの映画、父とのキノコ狩りにおける毒キノコ・エピソード、少女たちの火くぐり、姉妹の線路でのスリルにあふれた遊び。イザベルのアナへの悪戯。荒野の一軒家。そこに逃げてきた脱走兵(を、アナが孤独なフランケンと勘違い)…
きくところによると、独裁政治が終了する数年前に製作されたこの映画だけに、すべてが二重の意味をもっていそうで、ドキドキしてしまったのでした。
また、監督のビクトル・エルセにとって、これが処女作品だったそう。それもまたグレイトですよね
難解な部分も多かったけれど、心の深いところに届く作品です。
やはり、この作品は、この年齢のアナを迎えたことで、今の言葉で、神映画だったのかもしれません。思わず考えさせられたのでした
(ストーリー)
1940年頃、スペイン中部のカスティーリャ高原の小さな村オジュエロスに一台のトラックが入っていく。移動巡回映写のトラックで、映画は「フランケンシュタイン」。喜ぶ子供たちの中にアナ(アナ・トレント)と姉のイザベル(イザベル・テリェリア)がいた。
その頃父のフェルナンド(フェルナンド・フェルナン・ゴメス)は、養蜂場で、ミツバチの巣箱を点検する作業をしている。母のテレサ(テレサ・ジンペラ)は、室内にこもって、内戦で荒れはてた家や人々の様子を手紙に書き綴っている。いったい誰に宛てている手紙なのか、毎週のように、駅に向かい、列車に投函する。
公民館のスクリーンには、少女メアリーが怪物フランケンシュタインと水辺で出会う美しいシーンが展開している。そのシーンに魅入られたアナは姉からフランケンシュタインが怪物ではなく精霊で、村のはずれの一軒家に隠れていると聞いた。学校の帰りにアナはイサベルに村のはずれの一軒家に誘われた。そこに精霊が住んでいるというのだ。別な日に一人でそこを訪れるアナ。夕方、イサベルは黒猫と遊んでいる。アナは父母のアルバムを見る。父あての母のポートレートには、“私が愛する、人間ぎらいさんへ”とある。網の中のミツバチにささやきかけるアナ。
夜ふけに一人起き上ったアナは外に出る。列車から兵士が飛び降り井戸のある家に入って行く。彼はアナに拳銃を向けるが、子供だと知るとやさしくなる。足をけがした兵士は動けない様子だ。大きなリンゴを差し出すアナ。二人はアナが持って来た父のオルゴール時計で遊ぶ。
その夜、井戸のある一軒家に銃声が響いた。翌朝、フェルナンドが警察に呼ばれる。オルゴール時計のせいだ。公民館に横たえられた兵士の死骸。食事の席でオルゴール時計をならすフェルナンド。アナにはすべてが分かった。井戸のある家に行き血の跡を見つめるアナ。
その日、夜になってもアナは帰らなかった。心配する家族。そのころ、森の中のアナの前に、映画で見た怪物そっくりの精霊が姿をあらわした。発見されたアナは昏睡状態に陥っていた。家族のみんなが見守る。深夜、一人起き上がるアナ。窓をあけ、夜空を見つめるのだった。
じつは、初めて見た時は、あまりの評価の高さに期待が大きすぎ、その難解さ。淡々とした作風に、思わず( ̄_ ̄ i)となってしまったのですが
改めて見ると、シーンのひとつひとつ。台詞が美しい絵のようで、暗示的だなぁ… と、不思議な気分になってしまったのでした。風の音、姉妹のささやき、足音… 静かな物音が印象に残ります
アナとイザベル、ふたりの幼い姉妹が暮らす家は、夫婦仲が、いまひとつ、しっくりいってないみたい、だったし、(一説によると、スペインの政情不安を暗喩したのだとか)
フランケンシュタインの映画、父とのキノコ狩りにおける毒キノコ・エピソード、少女たちの火くぐり、姉妹の線路でのスリルにあふれた遊び。イザベルのアナへの悪戯。荒野の一軒家。そこに逃げてきた脱走兵(を、アナが孤独なフランケンと勘違い)…
きくところによると、独裁政治が終了する数年前に製作されたこの映画だけに、すべてが二重の意味をもっていそうで、ドキドキしてしまったのでした。
また、監督のビクトル・エルセにとって、これが処女作品だったそう。それもまたグレイトですよね
難解な部分も多かったけれど、心の深いところに届く作品です。
やはり、この作品は、この年齢のアナを迎えたことで、今の言葉で、神映画だったのかもしれません。思わず考えさせられたのでした
(ストーリー)
1940年頃、スペイン中部のカスティーリャ高原の小さな村オジュエロスに一台のトラックが入っていく。移動巡回映写のトラックで、映画は「フランケンシュタイン」。喜ぶ子供たちの中にアナ(アナ・トレント)と姉のイザベル(イザベル・テリェリア)がいた。
その頃父のフェルナンド(フェルナンド・フェルナン・ゴメス)は、養蜂場で、ミツバチの巣箱を点検する作業をしている。母のテレサ(テレサ・ジンペラ)は、室内にこもって、内戦で荒れはてた家や人々の様子を手紙に書き綴っている。いったい誰に宛てている手紙なのか、毎週のように、駅に向かい、列車に投函する。
公民館のスクリーンには、少女メアリーが怪物フランケンシュタインと水辺で出会う美しいシーンが展開している。そのシーンに魅入られたアナは姉からフランケンシュタインが怪物ではなく精霊で、村のはずれの一軒家に隠れていると聞いた。学校の帰りにアナはイサベルに村のはずれの一軒家に誘われた。そこに精霊が住んでいるというのだ。別な日に一人でそこを訪れるアナ。夕方、イサベルは黒猫と遊んでいる。アナは父母のアルバムを見る。父あての母のポートレートには、“私が愛する、人間ぎらいさんへ”とある。網の中のミツバチにささやきかけるアナ。
夜ふけに一人起き上ったアナは外に出る。列車から兵士が飛び降り井戸のある家に入って行く。彼はアナに拳銃を向けるが、子供だと知るとやさしくなる。足をけがした兵士は動けない様子だ。大きなリンゴを差し出すアナ。二人はアナが持って来た父のオルゴール時計で遊ぶ。
その夜、井戸のある一軒家に銃声が響いた。翌朝、フェルナンドが警察に呼ばれる。オルゴール時計のせいだ。公民館に横たえられた兵士の死骸。食事の席でオルゴール時計をならすフェルナンド。アナにはすべてが分かった。井戸のある家に行き血の跡を見つめるアナ。
その日、夜になってもアナは帰らなかった。心配する家族。そのころ、森の中のアナの前に、映画で見た怪物そっくりの精霊が姿をあらわした。発見されたアナは昏睡状態に陥っていた。家族のみんなが見守る。深夜、一人起き上がるアナ。窓をあけ、夜空を見つめるのだった。
by noho_hon2
| 2011-11-25 08:25
| 映画
|
Trackback
|
Comments(0)