キッチン
e0080345_16563197.jpgよく、作家のデビュー作には、「その人のすべてが詰まってる」とさえ極論されることがありますが、改めて読むだに「…言えてるなぁ」。

はじめて、彼女の作品を読んだのは、ブレイクして久しく、さんざん評判をきいたあとだったので、ちょっと反発心というか、プチ意地悪・気分も。

「なるほど、…めちゃくちゃ、読みやすい。人気が出たのもワカルような… “読む少女漫画”といわれるのも、納得だわ」と、感じたのですが

久々に読むと、改めて彼女の、途方もない才気と、初々しさに感動おぼえるばかり。
なんだか、しみじみ… なってしまったのでした。

内側からわきあがる、圧倒的な物語パワー。彼女なりの言語感覚と、みずみずしい感性でもって、的確に記した手腕は、半ば、内なる格闘技のようでもあり、神業的バランス。世界的な評価をうけたのも分かるような気がしました。

ドラマ「結婚できない男」では、「食べる」シーンが、とても印象的に使われていましたが、ヒット作品には、その傾向あると思いません? それは、小説にも通じるような気がします。

深い喪失や絶望感。あるいは、途方もない孤独を前。それでも、わきあがる生命力でもって雄々しく立ち上がっていく姿が、「小説を描く上でのメインテーマである」と、あとがきで彼女自身も言い切ってるのは、大きな意味をもってるように思われて

ことに、テレパシーのように、大きな孤独を受信し、こういう時は、問答無用。ただただ「美味しいものを食べさせてあげたい」という一念から、夜を駆ける姿は、きわめて感動的。同時に、この年齢でしか描けない勢いに胸うたれるものがありました。

ときとして、ある時期、とても共感したものが、時間がたつと、ひどくズレて感じられたり、なんだか無性に古臭く感じたりすることもあるのですが、変わらぬ鮮度に、改めて脱帽。

ふと思い立って「読み返す」のも、なんだか、とても素敵なことですね。
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by noho_hon2 | 2006-09-21 17:59 | 本、雑誌 | Trackback | Comments(0)
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