2008年 02月 18日
アマデウス ディレクターズカット |
なぜか無性に心惹かれる作品。
「映画館で見たかった!」と感じた、数すくないひとつ…
先日、同じ、ミロス・フォアマン監督の「カッコーの巣の上で」を見たあとだけに、ますます感慨深いものがあったのでした。
(現在では、学校の学習教材としても、使われる作品、なんですね)
大きな画面でみる、劇場の臨場感。当時の街並、宮廷、盛り場の様子。オペラシーンは圧巻! 20分のカット場面を復元し、デジタル音声が付いてるだけに、ますます贅沢さ、パワーアップで、ゾクゾクです
個人的には、のだめを見たり、彼がテーマの音楽祭が行われたり
知識が膨らんだ後だけに、なおいっそう、面白さ倍増。
考えてみると、サリエリ。いっときは、今でいう流行ミュージシャンとしての栄光もあり、それなりの役職。人望… 大いにサクセスしてたんですから、かなりの才能と運もあった訳ですよね。
だけど、時の流れと共に、すっかり、その作品も色褪せてしまい、落ちぶれモード。
そんな彼によって、モーツァルトを“語らせる”という発想自体が、じつに斬新。
今では、そんなに珍しくないけれど、それまでは大天才で偉人で…、いわば、雲上のヒトだったモーツァルトを「途方もない才能なれど、大きなオコサマ。生活能力はダメダメだし、かなりの変人」って描き方も秀逸です、
可憐でピュア。モーツァルトをこよなく愛してるけれど、めちゃくちゃ俗人で浪費家。遊び好きで、今でいう「片付けられない女」… (現代なら、カード破産していそう) 悪妻としての誉れ高い妻も「なるほど。こういう感じだったんですね」と、よく分かります
音楽の才は、きわめて凡庸なれど、どこか天然な陛下もヨイです。
はじめて見た時は、気にも留めなかったけれど、サリエリの告白をきく、神父様も、とても味。
最初は「…やれやれ」と、「うんざり…」半分。哀れみ混じりの表情だったのが、物語に惹きこまれるにつれ、どんどん表情が変わるのも、大いに見もの
サリエリは、モーツァルトを憎みながら、同時に、同じ分量の激しさで、崇拝し“愛して”もいたんだなぁ… と、ヒトのキモチの複雑さを表現してて、圧巻です。
とくに、楽譜をみるサリエリの、うちのめされつつ、陶酔する表情の、なんと絶品なこと。
それだけに、終盤。2人で共同作業をするくだりなぞ、胸に迫ります
すごくすごく堪能しました。大満足 (^。^*)
「映画館で見たかった!」と感じた、数すくないひとつ…
先日、同じ、ミロス・フォアマン監督の「カッコーの巣の上で」を見たあとだけに、ますます感慨深いものがあったのでした。
(現在では、学校の学習教材としても、使われる作品、なんですね)
大きな画面でみる、劇場の臨場感。当時の街並、宮廷、盛り場の様子。オペラシーンは圧巻! 20分のカット場面を復元し、デジタル音声が付いてるだけに、ますます贅沢さ、パワーアップで、ゾクゾクです
個人的には、のだめを見たり、彼がテーマの音楽祭が行われたり
知識が膨らんだ後だけに、なおいっそう、面白さ倍増。
考えてみると、サリエリ。いっときは、今でいう流行ミュージシャンとしての栄光もあり、それなりの役職。人望… 大いにサクセスしてたんですから、かなりの才能と運もあった訳ですよね。
だけど、時の流れと共に、すっかり、その作品も色褪せてしまい、落ちぶれモード。
そんな彼によって、モーツァルトを“語らせる”という発想自体が、じつに斬新。
今では、そんなに珍しくないけれど、それまでは大天才で偉人で…、いわば、雲上のヒトだったモーツァルトを「途方もない才能なれど、大きなオコサマ。生活能力はダメダメだし、かなりの変人」って描き方も秀逸です、
可憐でピュア。モーツァルトをこよなく愛してるけれど、めちゃくちゃ俗人で浪費家。遊び好きで、今でいう「片付けられない女」… (現代なら、カード破産していそう) 悪妻としての誉れ高い妻も「なるほど。こういう感じだったんですね」と、よく分かります
音楽の才は、きわめて凡庸なれど、どこか天然な陛下もヨイです。
はじめて見た時は、気にも留めなかったけれど、サリエリの告白をきく、神父様も、とても味。
最初は「…やれやれ」と、「うんざり…」半分。哀れみ混じりの表情だったのが、物語に惹きこまれるにつれ、どんどん表情が変わるのも、大いに見もの
サリエリは、モーツァルトを憎みながら、同時に、同じ分量の激しさで、崇拝し“愛して”もいたんだなぁ… と、ヒトのキモチの複雑さを表現してて、圧巻です。
とくに、楽譜をみるサリエリの、うちのめされつつ、陶酔する表情の、なんと絶品なこと。
それだけに、終盤。2人で共同作業をするくだりなぞ、胸に迫ります
すごくすごく堪能しました。大満足 (^。^*)
by noho_hon2
| 2008-02-18 08:14
| 映画
|
Trackback(2)
|
Comments(4)
Tracked
from カットのリンク集
at 2008-02-24 18:42
Tracked
from クラシック音楽ぶった斬り
at 2008-03-03 17:43
noho_hon2 さん,おはようございます。
この映画は,特別面白かったですね。私の後輩にも,この映画でモーツァルトが好きになって,いろいろ聞き始めましたが,私が聴かせた名曲の名演奏に「これは映画と違う」と言って,拒否反応を示す男が居ました。影響力の極めて大きい作品だったことが思い出されます。
私の理解では,この映画のモーツァルト解釈は,あくまで1つの解釈であって,別の解釈も成り立つと思っています。
確かに残された手紙類などを読んでいると,「大きな子供」という印象を拭いきれないのですが,音楽の中身はそんな単純なものではなく,子供には絶対に作れない,非常にマチュアで深い思索を示す大傑作もあるのです。
この映画がきっかけになるのは良いのですが,モーツァルトを聴き始めたら,本当の名曲を本当の名演奏でじっくりと聴き込んでいただきたいと思います。そして,この映画をなるべく早く「卒業」してほしいと思います。
よろしかったら,私が手ほどきをいたします。
摂田 寛二:68歳のクラシック音楽愛好家
この映画は,特別面白かったですね。私の後輩にも,この映画でモーツァルトが好きになって,いろいろ聞き始めましたが,私が聴かせた名曲の名演奏に「これは映画と違う」と言って,拒否反応を示す男が居ました。影響力の極めて大きい作品だったことが思い出されます。
私の理解では,この映画のモーツァルト解釈は,あくまで1つの解釈であって,別の解釈も成り立つと思っています。
確かに残された手紙類などを読んでいると,「大きな子供」という印象を拭いきれないのですが,音楽の中身はそんな単純なものではなく,子供には絶対に作れない,非常にマチュアで深い思索を示す大傑作もあるのです。
この映画がきっかけになるのは良いのですが,モーツァルトを聴き始めたら,本当の名曲を本当の名演奏でじっくりと聴き込んでいただきたいと思います。そして,この映画をなるべく早く「卒業」してほしいと思います。
よろしかったら,私が手ほどきをいたします。
摂田 寛二:68歳のクラシック音楽愛好家
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noho_hon2 at 2008-10-26 07:34
この作品の魅力度と影響は圧倒的。微妙なアンチ派も出たの、分かる気がしますね>摂田寛二さん
たしかに、我家も、この作品とのだめの影響。はじめてクラシックに開眼したした節あるぐらいなので、導入編として実に秀逸。おっしゃられてる旨、分かるような気がします
おそらく、卒業は夢のまた夢でしょうが、また、ぜひモーツァルトの件も、うかがいたいなぁ、と思ってしまうのでした (^ー^*)
たしかに、我家も、この作品とのだめの影響。はじめてクラシックに開眼したした節あるぐらいなので、導入編として実に秀逸。おっしゃられてる旨、分かるような気がします
おそらく、卒業は夢のまた夢でしょうが、また、ぜひモーツァルトの件も、うかがいたいなぁ、と思ってしまうのでした (^ー^*)
アマデウス・モーツァルトは,不思議な音楽家です。弾く人によって全然イメージが異なります。いろいろ聴いて行くうちに,しだいに自分の好みがわかって来ますが,それでもなかなか一つにはまとまりません。ガイダンスは,だからとても難しい。
私のやり方は,ですから,あなた方が自分の好みを見つけるお手伝いをするだけです。結論を強制するものでは,決してありません。
もし,私のガイダンスを受ける決心がお付きになったら,メールでお申し込みください。その際,あなた方夫妻の本名とご住所をお書きください。私の作った「教材」を郵送する必要があるからです。
教材は,原則として無料ですが,感想を必ず書いていただかなくてはなりません。感想が無いと,教材の次の郵送はありません。
それだけは,どうかご了承ください。
摂田寛二:年季の入ったクラシック音楽愛好家
私のやり方は,ですから,あなた方が自分の好みを見つけるお手伝いをするだけです。結論を強制するものでは,決してありません。
もし,私のガイダンスを受ける決心がお付きになったら,メールでお申し込みください。その際,あなた方夫妻の本名とご住所をお書きください。私の作った「教材」を郵送する必要があるからです。
教材は,原則として無料ですが,感想を必ず書いていただかなくてはなりません。感想が無いと,教材の次の郵送はありません。
それだけは,どうかご了承ください。
摂田寛二:年季の入ったクラシック音楽愛好家
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noho_hon2 at 2008-10-27 08:04
こんにちわ、摂田さん。きっと、アマデウス・モーツァルトも、そこまで造詣の深い方に愛され、研究されたら、本当に幸せですね。思わず、しみじみ… 情熱にあふれた、配慮と提案。ありがとうございました。いつか、興味がさらに開いた時は、よろしくお願いします