2008年 11月 03日
赤ひげ |
とにかく、すごい。すごすぎるぅぅ!
何度みても、ただただ「ひれ伏して」しまうばかり
ヒューマン・ストーリーの傑作。どこか大らかの空気の中、無駄を廃して淡々と、だけど、そこはかとないユーモア混じりに描かれてますが、ひとつひとつのエピソードが、それはそれは濃厚。充分に、それだけで1本つくれます
しかも、赤ひげという巨木のような存在を、屈折エリートの新米医師。ワカゾーくんの目から語らせる… ってあたり新鮮。
知識はあっても、気位ばかり高く、頭でっかち。密かな失意のあまり斜に構えた態度。でも、うっかり誘惑されて命を落としかかるわ、手術では気絶するわ… でも、そのダメダメさを、見守る赤ひげの距離感がまた、素晴らしいこと
保本を演じる、加山雄三。今でいうなら、キムタク・ポジションでしょうか? まさえを演じた、内藤洋子。大ブレイク中の人気アイドルだし、狂女を演じて新境地を開拓した香川京子なぞ、さしずめ松嶋菜々子あたり起用の大胆さ? そのあたりの采配も心憎いばかり
サイコ・サスペンスあり、壮絶で運命的な男女の物語、格差問題あり、幼児虐待ののち、たくましく蘇っていくオハナシあり… とくに、ある種の狂気や突きぬけ要素を描いてのけるのは、天才の手腕にほかなりません
現代なら、凝った映像と仰々しい効果音で、サスペンスフルに描きそうな部分。あえて引き算の手法? 静の表現で… ってあたり、並々ならぬセンスです
風の音、風鈴の音色で… ってあたり、思わず、ゾクリ
圧巻は、最初。何の音か分からない、風のうなり声にも似た奇妙な反響音。でも、じつは、みんなして願いを込め、井戸の底に叫ぶ声ってあたり、涙、涙…
とくに、目の描写! 薄暗い中、目の周辺だけにスポットがあたる表現や、やつれ顔、心を閉ざした目、等々、逐一、すさまじすぎます
ディープな分。あえて、静で描く勘所。題材が重い分、基本骨格を、保本とおとよの成長をメインにし、赤ひげは要所要所で、見事な存在感を発揮するのもイイなぁ…
私は『銀河鉄道の夜』と同じく、映像化されたものを見てはじめて、より、その物語世界が、よりビビッドに見えた気がして嬉しかったし、映画を見て(私が置いてた)原作を読んだダンナさんは、その忠実ぶりに驚嘆。
わりと最近。チャングムを見た分、よりいっそう盛り上がりました
ちなみに、調べてみると、天才としか思えない演技の子役、おとよ(二木てるみ)は、この作品で、ブルーリボン賞の助演女優賞を当時の史上最年少である16歳で受賞。のちに、声優としても大活躍。
そして、作品自体は、幾度も映像化を試みられてるの、知りませんでした。
原作者、山本周五郎、じつは『椿三十郎』の原作者でもあったとは!
今回のオンエア。より本来のオリジナル作品に近い、横長~いサイズで見られて大満足!
何度みても、ただただ「ひれ伏して」しまうばかり
ヒューマン・ストーリーの傑作。どこか大らかの空気の中、無駄を廃して淡々と、だけど、そこはかとないユーモア混じりに描かれてますが、ひとつひとつのエピソードが、それはそれは濃厚。充分に、それだけで1本つくれます
しかも、赤ひげという巨木のような存在を、屈折エリートの新米医師。ワカゾーくんの目から語らせる… ってあたり新鮮。
知識はあっても、気位ばかり高く、頭でっかち。密かな失意のあまり斜に構えた態度。でも、うっかり誘惑されて命を落としかかるわ、手術では気絶するわ… でも、そのダメダメさを、見守る赤ひげの距離感がまた、素晴らしいこと
保本を演じる、加山雄三。今でいうなら、キムタク・ポジションでしょうか? まさえを演じた、内藤洋子。大ブレイク中の人気アイドルだし、狂女を演じて新境地を開拓した香川京子なぞ、さしずめ松嶋菜々子あたり起用の大胆さ? そのあたりの采配も心憎いばかり
サイコ・サスペンスあり、壮絶で運命的な男女の物語、格差問題あり、幼児虐待ののち、たくましく蘇っていくオハナシあり… とくに、ある種の狂気や突きぬけ要素を描いてのけるのは、天才の手腕にほかなりません
現代なら、凝った映像と仰々しい効果音で、サスペンスフルに描きそうな部分。あえて引き算の手法? 静の表現で… ってあたり、並々ならぬセンスです
風の音、風鈴の音色で… ってあたり、思わず、ゾクリ
圧巻は、最初。何の音か分からない、風のうなり声にも似た奇妙な反響音。でも、じつは、みんなして願いを込め、井戸の底に叫ぶ声ってあたり、涙、涙…
とくに、目の描写! 薄暗い中、目の周辺だけにスポットがあたる表現や、やつれ顔、心を閉ざした目、等々、逐一、すさまじすぎます
ディープな分。あえて、静で描く勘所。題材が重い分、基本骨格を、保本とおとよの成長をメインにし、赤ひげは要所要所で、見事な存在感を発揮するのもイイなぁ…
私は『銀河鉄道の夜』と同じく、映像化されたものを見てはじめて、より、その物語世界が、よりビビッドに見えた気がして嬉しかったし、映画を見て(私が置いてた)原作を読んだダンナさんは、その忠実ぶりに驚嘆。
わりと最近。チャングムを見た分、よりいっそう盛り上がりました
ちなみに、調べてみると、天才としか思えない演技の子役、おとよ(二木てるみ)は、この作品で、ブルーリボン賞の助演女優賞を当時の史上最年少である16歳で受賞。のちに、声優としても大活躍。
そして、作品自体は、幾度も映像化を試みられてるの、知りませんでした。
原作者、山本周五郎、じつは『椿三十郎』の原作者でもあったとは!
今回のオンエア。より本来のオリジナル作品に近い、横長~いサイズで見られて大満足!
by noho_hon2
| 2008-11-03 10:38
| 映画
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