ジョーカー～許されざる捜査官～

いってしまえば、現代版・必殺、ですね。サブタイトル「２つの顔をもつ刑事…凶悪な真犯人を闇で裁く」

神奈川県警捜査一課・警部の伊達一義(堺雅人)、オンの顔は、“仏の伊達さん"と呼ばれ、小心な、ややダメ男。

だけど、幼少時。目の前で親を殺され（コンクリート詰めとは！）いまだに、その夢に苦しめられてます。ゆえに、オフの顔は…　法で裁けない非道を成敗！ってな感でしょうか？

犯人は、きわめて極悪非道。“怖がり、泣き叫ぶ”子供の顔みたさに、改造銃の試し打ち。しかも、靴の片方と、その様子を記録した盗聴器を遺族に送りつけ、さらに苦しめる、という残忍さ。ついには母親が参って、自殺未遂してしまいました。

かぎりなくクレイジーな凶悪犯、であります。何より、弱い子供をターゲットにした、というあたりも卑怯きわまりない、ですよね。反省の色なく、快楽殺人の余韻を愉しんでるありさま。

しかも、父親が検察庁の幹部ゆえ、権力を使って無罪放免。
その巧妙さ、警察には手も足も出せません。

「許せんっ！」って訳で…　「目には目を！」とばかり、同じ思いを。決して殺さず、失神したのを縛って貨物船に乗せ、サヨウナラ～～ッってあたり、現代劇的オチ、だったでしょうか？

逆にいうと、時代劇なら、とことん非情なワルで、最後にはバッサリ。すべてが「んなバカな！」だけど、その突き抜け感がグー。様式美とセクシーさ、ユーモアにあふれ、思いっきり視聴者の溜飲を下げさせてくれるので、そのあたりの仕掛けもエンタメとして優れてるんだなぁ、と、改めて感心したりしてね

脇を固める、錦戸亮、杏、りょう、大杉漣、鹿賀丈史ってあたりのキャスティング、渋かったです

必殺の中村主水と、ヒガシが演じた役を、現代におきかえた感の役回りを堺雅人が、優しさと不敵さを切り換えて、好演。

新しいタイプのエンタメとして、どう育つか。巷の評判も楽しみ　(^-^*)