
1991年カンヌ国際映画祭 カメラ・ドール(最優秀新人監督賞)、ユース映画賞受賞作品、だったのですね。
初めて観た時、とても印象に残り、好きでした。
ああ、ヨーロッパ映画だなぁ、と実感(ベルギー・フランス・ドイツ合作)
でも、以前は肝心な部分が理解できてなかった分、「なんと、そういうオハナシだったとは」と、懐かしく思い出しつつ、初めてピースが繋がり、ジグソーパズル感覚で嬉しかったです。
(「
イヤー・オブ・ドラゴン」のように「完全に自分の中で、勝手に物語を作ってました。びっくり!」ほどではなかったけど、近いものがあった…かも (^^;))
特に、「
レオン」のマチルダじゃないけれど、トマの姉、アリスを演じた俳優さんの、この年齢ならではの美しさと小悪魔っぽさを見るだけでも、価値ある… と感じて。
特にラスト近く。前を行く、トラックの中に見た幻想… 大好きな「ブン」を演奏する、今は亡き父と姉の姿が浮かび上がるシーンは泣かせます。
少年時代、青年時代、老年時代。そして、現実と幻想や願望、夢が交錯するので、やや難解だけど、これだけの短い時間に、まとめあげた手腕は凄いです。
それぞれの年代のトマとアルフレッドを、別の俳優さんが演じ、ふたりが愛した、アリスとエブリーヌの、キャスティングが、また何とも見事。
誰しも「もしも…」と夢想することはあるような気がして。
(ストーリー)
老境を迎えた主人公のトマ(ミシェル・ブーケ)は、自分が産院の火事のどさくさで、向かいの裕福な家庭の子供と取り違えられ、そのため姉のアリスと恋し合えず、幸福な人生を向かいの息子・アルフレッドに全て奪われてきたと思い込み、自分の人生を取り戻しに出発する・・・