松本清張 二夜連続ドラマスペシャル・第二夜「霧の旗」 |

名前だけは、超・有名ゆえ、「筋だけでも知りたい」と見てみたのですが、やはり、見どころは、清純派・堀北真希の、大胆・七変化だったかな?
(なんと、2度の映画化と今回で9回目のテレビドラマ化なんですってね。これまで倍賞千恵子、山口百恵、大竹しのぶ、といった錚々たる女優が柳田桐子役を)
知的障害を持つものの、心優しい弟と、地元の工場で働きつつ暮らしてた頃(原作では兄だったのを、かなりアレンジした模様)の、うんとカジュアルな、地味ルックから、上京して、キャバ嬢になり、やがて銀座の女になって、妖艶に変貌していく姿を、そのクール・ビューティさで、よく頑張ってた気がしました。
なんと、黒いスリップ姿で奮闘。女優魂です。
特に、目の演技… 序盤の健気で必死なまなざしから、終盤の凍てつく瞳が、印象的…
ラストの墓参りの赤いスーツ姿も映えてました。
でも、椎名桔平、演じるカリスマ弁護士。不倫こそしてたけれど、途中から、懇願された事件に興味。資料を取り寄せたり、誠実なところを見せていて、あらゆる意味で相手と運が悪かったようにも感じられて。
福士誠治、未だ私の中では、のだめのイメージが強いので「わ~~ん、殺されてシマッタ」と、無残な死体姿に、やや嘆きモードだったのでした。
人間のあらゆる業が詰まってる意味で、松本清張モノは、女優として、きわめて「やり甲斐ある」物語なの… かも。
(ストーリー)
食品加工工場で働きながら、知的障害を持つ弟の正夫(古畑新之)とつつましく暮らしている桐子(堀北真希)。給料日の帰り道、正夫は、偶然、若い男を見送る菊江(濱田マリ)を見てしまい、今のは秘密にと1万円を受け取ってしまう。桐子から見ず知らずの人からお金など、と諭された正夫は、翌日、菊江に返そうと自宅を訪ねるが、そこで菊江の他殺体を発見。容疑者として拘束されてしまった。このままでは正夫は殺人犯になってしまう……。思い詰めた桐子はニュースで見た大塚弁護士(椎名桔平)の活躍を思い出し、一人上京。大塚法律事務所の門を叩くが、愛人の径子(木村佳乃)と旅行に行くという時で、大塚の片腕・田岡(橋爪功)も、遠隔地の事件は報酬も高くなる、といんぎんに断る。結局、「貧乏人は救われんのですね」と桐子は去るが、その事務所の前で大塚の取材でやってきた週刊誌記者の阿部(高橋克実)に自らが置かれた苦境をこぼす。北九州?知的障害のある青年がネットトレーダーの主婦を殺害した、あの事件…。がぜん興味を示した阿部は、何かあったら電話を、と桐子に名刺を手渡す。北九州へ戻った桐子は、国選弁護人の佐々木(でんでん)に証言台に立ちたいと直訴。熱意に気圧された佐々木は、裁判で桐子に証言させたものの、検察官の鋭い質問に曖昧な答えしか出来ず、正夫の立場を悪くしてしまい、結局、正夫は無期懲役に。それでも桐子は、必死に弟を助けようとするが、正夫は獄中で熱中症のため死亡。監房の劣悪な環境が招いた死だった。物言わぬ正夫の亡骸を前に涙も出ない桐子。ある決意を秘めた桐子は上京。キャバクラ「マーメイド」で働き始めた。

テレ朝系松本清張 二夜連続ドラマスペシャル 悪女の事件簿・第二夜『霧の旗』(公式) 『無実の弟の弁護を断った弁護士に対する、復讐を描く傑作サスペンス!殺人の汚名を着せられたまま獄中で死亡した弟への悲しみが、1人の女を悪女へと変貌させる!』の感想。 なお、原作小説・松本清張『霧の旗』は未読。但し、過去の映像作品は数作鑑賞済み。 姉弟愛、貧困、冤罪、そして復讐ーー。 松本...... more

今日は映画ではないのですがTVドラマの「霧の旗」の記事がありましたので、やってきました。
このドラマの率直な感想なのですが、正直桐子の行動に感情移入が出来ませんでした。気持ちはわからないでもないのですが、やりすぎ感を感じました。
この作品、当然古い原作なのですが、スマホを登場させたりと現代版に書き換えられているのですが、弟の死が「熱中症」というのも何か「昔」を感じさせ、時代間のギャップがうまく埋っていない気もしました。
たしかに私も感じました。カリスマ弁護士、椎名桔平、誠実なところも垣間見せていて、決して非情や冷酷には描かれてませんでしたもんね。それだけに、柳田桐子の「やりすぎ感」は同感です。
また、獄中の弟も最初、仲間内の暴力の、当たりどころが悪くて命を落としたのかと思ってただけに、熱中症は意外で…
個人的には、兄を知的障害の弟、とした設定の変更にも、やや違和感覚えました。逆に原作のあらすじを読んで、びっくり
木村佳乃と高橋克実は、かなりハマっていた気がして…
これからも、よろしくお願いします