魔界転生(1981) |

劇中、天草四郎時貞が唱える呪文“エロイム・エッサイム!”が、公開当時、TVのCMなどで使われて流行語になったのだとか
やはり、そこは、作欣二監督ならではの、勢いとダイナミックさ、サービス精神たっぷりな部分。クライマックスの炎上シーンでは、かなりの怪我人も出たほど、だったとか。
幾度も、半裸の女性が出てきて色っぽく、ドッキリ。
基本的に、男性が多いので、本来は原作に無かった、細川ガラシャ夫人(佳那晃子)を入れて、華を添えた、そうです。
タランティーノ監督をはじめ、多くの影響を与えたのにも納得。魔界によって、天草四郎、柳生十兵衛、宮本武蔵を、筆頭に、多くの時代劇のスターを結びつけた自由な発想も魅力です。本伝統のチャンバラ剣劇に西洋ホラー風のファンタジーを味付け
キャスティング的に、沢田研二の美貌とスター性、千葉真一のダイナミックさ、若き日の真田広之に、緒形拳、丹波哲郎が、圧倒的存在感。若山富三郎が怪演してました。
個人的に、人形作家の辻村寿三郎が衣装アドバイザーをつとめたのが印象に残りました。
最初は、「とんでも作品」に思えたのですが、なかなかに面白かったです。満足
(解説)
天草四郎を中心に、細川ガラシャ夫人、宮本武蔵などが現世で果たせなかった夢、願望を満たすため黄泉の国から甦り徳川幕府をおびやかす。山田風太郎の原作の映画化で、脚本は「悪魔が来たりて笛を吹く(1979)」の野上龍雄、「忍者武芸帖 百地三太夫」の石川孝人、「復活の日」の深作欣二の共同執筆、監督も同作の深作欣二、撮影は「古都(1980)」の長谷川清がそれぞれ担当。
(ストーリー)
寛永十五年、徳川幕府のキリスト教弾圧に端を発した島原の乱は、天草四郎時貞を中心に、二万人近い信者が惨殺された。その夜、四郎の首は雷鳴とともに甦った。怨みをはらそうとする四郎は、やはり、生前に裏切られたり夢を果たせなかった人々を集めて、幕府に復讐を企てた。細川ガラシャ夫人、宮本武蔵、宝蔵院胤舜、伊賀の霧丸、柳生但馬守宗矩たちが集まった。頻繁に起る不思議な事件を、柳生十兵衛は魔界から甦った化者たちの仕業とつきとめた。ガラシャは四代将軍家綱に接近し、お玉の方に扮して大奥に入ることに成功する。家綱はお玉の方の体に溺れ、次第に狂気じみていった。霧丸は若い少女と恋仲になり、悪に徹しきれず、脱走を図った。しかし、四郎はそんな霧丸を斬り殺してしまう。危機の迫っていることを悟った十兵衛は、おつうを養女にして山中に暮す刀匠、村正に魔物を斬れる妖刀の製作を依頼する。十兵衛はおつうの前で武蔵を斬り倒した。一方、江戸城はお玉と家鋼の部屋から出火した火に包まれていた。燃えさかる炎の中で、十兵衛は父、但馬守を激戦の末、斬り倒し、そして天草四郎と向い合った。顔、体に魔よけの文字を書いた十兵衛は四郎の首をはねた。四郎は自分の首を脇にかかえ、人間のいるかぎり、復讐を続けると炎の中に消えていった。...