梨園の隠し子、大女優の軽犯罪騒動（やすらぎの刻～道）

倉本聰。脚本に惹かれ、前作の「やすらぎの郷 (2017)」に続く「やすらぎの刻～道」観てます。

八千草薫の降板が影響し、主役が、風吹ジュンに交代。

テレビや映画界で活躍した方しか入れない、という、特別・老人ホーム「やすらぎの郷」で、繰り広げられる」ゆ～るい日常が描かれる、現代編と、

執筆中の勝手に執筆中の脳内ドラマ（今は戦中。かなりシリアス）が並行して進んでいくのすが、

過去編…　太平洋戦争が開戦し、緊張感が高まる「道」パートは、「暗いからパス」との声も、少々。分かる気がします。

でも、丸坊主姿で意欲を見せた風間俊介や、清野菜名の熱演も光り、中島みゆきの新しいテーマ曲や劇中歌が、絶妙にマッチ！

しかし、けっこう、現代編もシビアになってきました。

ニュースで「中高年の犯罪が増加」と報道される中、タイムリーにも、往年の大女優の、百均での軽犯罪にスポット。

やすらぎの郷に新入居した、往年の大物女優・桂木怜子（大空眞弓）…

松竹蒲田で一世を風靡し、テレビ初期のよろめきドラマでブレイク。その後、ギリシャに移住して船舶王と結婚するも、船舶王の破産と共に名前を聞くこともなくなり、死亡説まで流れていたという、伝説の彼女は

オトボケ認知症で、なにかと過剰ゆえ、周囲がつきあいきれず、避けてたのですが、実は、密かに、付き人（いしだあゆみ）とタッグで、百均で、軽犯罪を繰り返してたのでした。

そもそも、序盤から、主人公のモノローグとして、楽しみは、噂話とゴシップ、それに接する喜びに、心が沸き立ち、回春効果が、ってあたり、人間的、ですよねぇ。

先週は、大女優の隠し子の子…　実の孫のスキャンダルと、雲隠れ騒動が展開。それを最初、主人公（石坂浩二）が、「人の不幸は蜜の味…　特に年を重ねるほど、幸福な気分にしてくれる」と、愉快そうにモノローグしてたのに、笑えました。

それにしても…　思えば「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」も、上戸彩と吉瀬美智子が知り合い、を繋ぐきっかけは、ソレでしたから、不倫同様。イケナイことではあるけれど、ドラマ的には、定番なのかな？

その、大女優も、最終的には、目的は、入居者へのプレゼントでした。「誰かに与えられる人生になりたい」

いろいろな意味で、考えさせられます。