2006年 07月 31日
となりのトトロ |
宮崎駿監督、いわく。
「なんでもないようなことでも、丁寧に描けばおもしろくなる」とのことですが、まさに、そのお手本!のような作品ですよね。
名作のアカシ… それは「何度みても、発見がある」って部分かもしれません。
クリアな映像でみる今回は、今まで以上に「惹きこまれ」ました。だって、なにげないシーンほど、ほとんど驚嘆レベルに、きっちり描き分けられてるんですもの。
たとえば、食事シーンひとつとっても、朝、バタバタとあわただしく食べる御飯と、昼間の畑で、おばあちゃんと一緒にパリポリ食べる、とれとれ野菜のシーンとでは、音と表情からして全然、違います! その「おそるおそる…」ぶりと、目を見開いての感動♪は、見事っ!
そういう意味では、冒頭。新居に着いてから、つぎつぎと発見しては、どんどん興奮していくさま。「おずおず…」と「わくわく」の入り混じった、子供達の様子は、ほとんど絶品!ですよね。
小道具ひとつにせよ、炊飯器でなく、レトロなオカマだったり、バタバタとオート三輪が走ってたり… 急いで知らせる時。隣りのボクがオトナの自転車に斜め乗りし、立ちこぎしてたり… ほんにディテールが心憎いばかり。
なにより、4歳とメイと、小6のサツキとでは、体型はもちろん、表情から、身体の微妙な動きに至るまで、性格を含め、アッパレなまでに“違う!”んですもの。
とくに、病院から電報が届き、父親も留守の間の悪さが重なり、不安がつのって泣きだしてしまうシーンなぞ、じつに象徴的。
本能が爆発するように、みるみる相好が崩れ、ふんぎゃ~! 全身で泣くメイと、途中まで、健気にこらえ、理性的にテキペキと行動。お姉ちゃんらしくしてたのに、そこは子供のこと。おばあちゃんの前で、堰が切れたかのように、泣き出して止まらなくなるサツキの様子は、切ないほどに心情と状況が伝わってきて、胸がジンとなります。
夏の光、夕焼けの斜めからさす光、夜風と月夜の薄明かり。幼い姉妹がバスを待ってる間、雨の降り方が、どんどん変わっていくさまを、水溜りと傘の雨音で表現したり… 夜の空中遊泳、猫バスの疾走感、トトロの「ふかふか感」…
名作の名作たるゆえん。表現の神は「細部に宿る」というけれど、まさに、それを実感。
大した作品は、頭でなく「五官に訴える」のが、思いっきり大納得!ですよね
なにより「オバケ屋敷に住むのが夢だったんだ」と笑い、巨木に「サツキとメイがお世話になりました」とお礼をする、お父さんがイイです。リアルとファンタジー要素の、見事な融合…
国境を越えて「知らない世界なのに、ワカル。そして懐かしい」と言わせしめたのも、改めて「なるほどなぁ…」なものがありました。宮崎アニメの「最高傑作のひとつ」との呼び声が高いのも、分かるような気がしたのでした。改めて、ハハ~~ッ
これだけ長きに渡って“愛される”作品を生み出せたとしたら、それだけで、とても幸福なこと、ですね。
「なんでもないようなことでも、丁寧に描けばおもしろくなる」とのことですが、まさに、そのお手本!のような作品ですよね。
名作のアカシ… それは「何度みても、発見がある」って部分かもしれません。
クリアな映像でみる今回は、今まで以上に「惹きこまれ」ました。だって、なにげないシーンほど、ほとんど驚嘆レベルに、きっちり描き分けられてるんですもの。
たとえば、食事シーンひとつとっても、朝、バタバタとあわただしく食べる御飯と、昼間の畑で、おばあちゃんと一緒にパリポリ食べる、とれとれ野菜のシーンとでは、音と表情からして全然、違います! その「おそるおそる…」ぶりと、目を見開いての感動♪は、見事っ!
そういう意味では、冒頭。新居に着いてから、つぎつぎと発見しては、どんどん興奮していくさま。「おずおず…」と「わくわく」の入り混じった、子供達の様子は、ほとんど絶品!ですよね。
小道具ひとつにせよ、炊飯器でなく、レトロなオカマだったり、バタバタとオート三輪が走ってたり… 急いで知らせる時。隣りのボクがオトナの自転車に斜め乗りし、立ちこぎしてたり… ほんにディテールが心憎いばかり。
なにより、4歳とメイと、小6のサツキとでは、体型はもちろん、表情から、身体の微妙な動きに至るまで、性格を含め、アッパレなまでに“違う!”んですもの。
とくに、病院から電報が届き、父親も留守の間の悪さが重なり、不安がつのって泣きだしてしまうシーンなぞ、じつに象徴的。
本能が爆発するように、みるみる相好が崩れ、ふんぎゃ~! 全身で泣くメイと、途中まで、健気にこらえ、理性的にテキペキと行動。お姉ちゃんらしくしてたのに、そこは子供のこと。おばあちゃんの前で、堰が切れたかのように、泣き出して止まらなくなるサツキの様子は、切ないほどに心情と状況が伝わってきて、胸がジンとなります。
夏の光、夕焼けの斜めからさす光、夜風と月夜の薄明かり。幼い姉妹がバスを待ってる間、雨の降り方が、どんどん変わっていくさまを、水溜りと傘の雨音で表現したり… 夜の空中遊泳、猫バスの疾走感、トトロの「ふかふか感」…
名作の名作たるゆえん。表現の神は「細部に宿る」というけれど、まさに、それを実感。
大した作品は、頭でなく「五官に訴える」のが、思いっきり大納得!ですよね
なにより「オバケ屋敷に住むのが夢だったんだ」と笑い、巨木に「サツキとメイがお世話になりました」とお礼をする、お父さんがイイです。リアルとファンタジー要素の、見事な融合…
国境を越えて「知らない世界なのに、ワカル。そして懐かしい」と言わせしめたのも、改めて「なるほどなぁ…」なものがありました。宮崎アニメの「最高傑作のひとつ」との呼び声が高いのも、分かるような気がしたのでした。改めて、ハハ~~ッ
これだけ長きに渡って“愛される”作品を生み出せたとしたら、それだけで、とても幸福なこと、ですね。
by noho_hon2
| 2006-07-31 09:07
| 映画
|
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Comments(8)
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from 日々思うこと
at 2006-08-01 21:06
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from オン・ザ・ブリッジ
at 2006-09-17 22:47
タイトル : 『となりのトトロ』この映画を見て!
第111回『となりのトトロ』 今回紹介する映画は国民的アニメと言っても過言ではない『となりのトトロ』です。この映画はテレビでも何度でも放映されており、誰しも一度は見たことがあると思います。私も小学生の時からテレビで放映される度に欠かさず見たものでした。個人的にはスケールの大きい『風の谷のナウシカ』や『天空のラピュタ』... more
第111回『となりのトトロ』 今回紹介する映画は国民的アニメと言っても過言ではない『となりのトトロ』です。この映画はテレビでも何度でも放映されており、誰しも一度は見たことがあると思います。私も小学生の時からテレビで放映される度に欠かさず見たものでした。個人的にはスケールの大きい『風の谷のナウシカ』や『天空のラピュタ』... more
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from 新・ぴゅあの部屋
at 2006-09-18 16:19
タイトル : となりのトトロ
1988年 監督:宮崎駿 「となりのトトロ」(★★★★★) 夏といえば、トトロの季節! もう何度も見てるから、何を書いていいかわかんないけど、 ジブリで一番好きだから、何度でも見ちゃうw やっぱり、美しい自然と温かい家族愛が素晴らしいです。 ...... more
1988年 監督:宮崎駿 「となりのトトロ」(★★★★★) 夏といえば、トトロの季節! もう何度も見てるから、何を書いていいかわかんないけど、 ジブリで一番好きだから、何度でも見ちゃうw やっぱり、美しい自然と温かい家族愛が素晴らしいです。 ...... more
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from Mon plaisir ☆
at 2006-09-20 00:01
タイトル : TVで『となりのトトロ』を観た。久しぶり!
となりのトトロブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメントこのアイテムの詳細を見る 久しぶりに観ました~。懐かしいっ♪ 昭和30年代を舞台に、家族愛、姉妹愛がいーっぱいつまった心温まるストーリー。 メイちゃん、純粋無垢で好奇心旺盛で、本当に可愛いんだ{/heartss_pink/} サツキちゃんは、お姉ちゃんだからしっかりしなきゃ!ってメイちゃんの前では頑張ってるけど、やっぱりパパやママに優しく頭をなでられると泣いちゃうんだ。 私も二人姉妹の長女だから、分かるなぁ~、その気持ち。 昔、妹と二人で迷子にな...... more
となりのトトロブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメントこのアイテムの詳細を見る 久しぶりに観ました~。懐かしいっ♪ 昭和30年代を舞台に、家族愛、姉妹愛がいーっぱいつまった心温まるストーリー。 メイちゃん、純粋無垢で好奇心旺盛で、本当に可愛いんだ{/heartss_pink/} サツキちゃんは、お姉ちゃんだからしっかりしなきゃ!ってメイちゃんの前では頑張ってるけど、やっぱりパパやママに優しく頭をなでられると泣いちゃうんだ。 私も二人姉妹の長女だから、分かるなぁ~、その気持ち。 昔、妹と二人で迷子にな...... more
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at 2006-07-31 18:34
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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noho_hon2 at 2006-07-31 18:46
ハートさん、こんにちわ。をを、ハートさんにとっては、これがベストワン!ですか? 私も、なにげない場面で、うるっとなってしまいます。特に、木がぐんぐん伸びていくシーンなぞ、訳もなく好きで好きで… あのBGMが流れるだけで胸が熱くなってしまいます。不安なキモチで迎える夕焼けなんか、もうダメ… 同感同感。トトロの傘に猫バス、じつに素晴らしい!ですよね。
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こんばんは☆
私も 宮崎アニメでは これがベストワン!!なんですよ♪
もう何度観たか知れません
女の子が生まれたら メイちゃんってつけようね・・・って
お兄ちゃんに言っていたものでした
で 生まれたのは男の子 あはは~~~☆
この映画は どこを切り取っても 優しい優しい・・・ですよねっ♪
私も 宮崎アニメでは これがベストワン!!なんですよ♪
もう何度観たか知れません
女の子が生まれたら メイちゃんってつけようね・・・って
お兄ちゃんに言っていたものでした
で 生まれたのは男の子 あはは~~~☆
この映画は どこを切り取っても 優しい優しい・・・ですよねっ♪
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みふゆ
at 2006-08-01 00:15
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途中からでしたが、やっぱり見ちゃいました~(^^)
サツキとメイがけんかして、ふてくされてそっぽむいて寝ころがってるシーンがありますよね。
私も妹と、同じようなことしてたな~となつかしい思いです。
メイがいなくなってからは、何度見てもはらはらどきどき、そして見つかったときの感動はいつも新鮮です。
エンディングテーマ中にお母さんが帰ってくるシーンがありますが、それを見ていつも胸がいっぱいになります。
サツキとメイがけんかして、ふてくされてそっぽむいて寝ころがってるシーンがありますよね。
私も妹と、同じようなことしてたな~となつかしい思いです。
メイがいなくなってからは、何度見てもはらはらどきどき、そして見つかったときの感動はいつも新鮮です。
エンディングテーマ中にお母さんが帰ってくるシーンがありますが、それを見ていつも胸がいっぱいになります。
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noho_hon2 at 2006-08-01 07:29
きららさん、こんにちわ。なんと、きららさんにとっても、これがベスト?! やはり人気、高いですね~~っ。ある雑誌で“魔法の映画”と呼ばれてたのもワカル気がしました。(子供のガヤガヤが止まり、やがて、一緒に見てた母親達も吸い寄せられる意味で) もしも、その当時、生まれて「メイちゃん」と名づけられた子がいたとしたら、もう、花も恥らう、ハイティーン… 思わず、しみじみ、ですね
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noho_hon2 at 2006-08-01 07:34
みふゆさん、こんにちわ。私には、あのサツキとメイの、姉妹っぷりが羨ましくて、いつも「いいなぁ…」と思いつつ見てしまいます。そして、サツキの気持ちになったり、メイの気持ちになったり… ドキドキわくわく。そわそわ、はらはらしてしまいます。エンディングも、おばあちゃんに迎えられたり、お母さんを迎えたり… なんともいえず素敵ですね♪
こんにちはっ。TBありがとうございました。
こちらからも送らせて頂きました☆
トトロいいですよね!
途中何度かうるっとしながら見てました。特にサツキちゃんが泣くシーンが切なくて…!
本当に子どもたちが生き生きしていて、何度見ても飽きない大好きな映画です!
こちらからも送らせて頂きました☆
トトロいいですよね!
途中何度かうるっとしながら見てました。特にサツキちゃんが泣くシーンが切なくて…!
本当に子どもたちが生き生きしていて、何度見ても飽きない大好きな映画です!
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noho_hon2 at 2006-08-02 07:33
ヨウコさん、こんにちわ。名作ほど、何度みても楽しめて、同時に「見る状況や年齢によって、印象が刻々と変化」って心境。とてもよく分かる気がしました。特に、“ぐっとくる場面”が変化してくるのも興味深いですよね。それにしても、英語のトトロ! 御覧になられた、だなんてイイなイイな。個人的には、お父さんが、どういう雰囲気になったのか、興味を感じたりしてね (^v^) サツキやメイが泣いたり笑ったりすると、こちらまでニコニコなったり、うるっとなったり… 本当にトトロ、改めて素晴らしい作品ですね