拝啓、父上様 最終回

今クールは話題の三強ドラマが三つ巴戦を展開。どれも、最終回には飛躍的に数字を伸ばし、大いに話題になりましたが…　

この、じつに丹念に作られた「滋味あふれるワールド」は、「ああ、こういうドラマの方向性もアリなんだなぁ…」という意味で、異彩を放ち、

どこか、神楽坂にも似た存在感。
最後までマイペースに「わが道をいった」姿勢が素敵でした。

時代の流れの中、否応なくかわっていく古い街並み。

八千草薫、やはり稀有な女優さんであります。そんな街並に、しっくりとけ込み、終盤なぞ、半分、天使になってしまってもなお、ここまで可愛く、ユーモラス。周囲に深く愛される人物を表現できる方は、他にいないかもしれませんね。

ひょっとすると、このドラマ。密かなヒロインは、彼女であり、彼女のために物語が作られたのでは？とにらんでしまったほど。

若い二人の顛末も、じつにイイ感じにフィニッシュしたし、謎は謎のまま、ってスタンスも、ヨカッタ気がします。（最後のモノローグ。はじめて「名前、呼び捨て」の機微とか、「教えない」のトボけようが、含みをもたせてナ～イス）

梅宮辰夫演じる花板・竜さんの「男のダンディズム」を演じさせたのも、じつに粋。
雪乃ちゃんを演じた高島礼子も、とても雰囲気で、奥田瑛二演じる、津山冬彦ともども「大人の貫禄と事情、かっこよさ」を表現してて、秀逸でした。

そんな人間模様と対比するように、街の諸行無常感。
余韻として残してたのも、倉本聰ならではの味わい…

個人的には、同じようにマイペースで続編を作って欲しい気がしたのでした。
週の半ば。贅沢な時間を堪能できる、とても、いいドラマでした　(^｡^*)