2008年 08月 07日
相棒 4 |
毎回、微妙に違うティストで、見せてくれますね~~っ
なんて、大盤振る舞いの贅沢な再放送
「なに、これ?!」と驚嘆。アングリしてる今日この頃です。
一見。軽くはじまっても、深い深い…
昨日は、6百万届け出た、正直にいさんの波紋。
大金の魔性に、ちゃっかりさん達の「あわよくば…」な強欲ぶり(冒頭は、かなりコミカル)に始まり、コトが二転三転していくし… 意表をつく展開の嵐。
でも、個人的に、印象深かったのは、前回の前後編。「悪魔の囁き」
圧倒されました。ひょっとして「羊たちの沈黙」や「MONSTER」にも匹敵する、まさに、サイコホラーサスペンスの傑作!
(あまりにも鬼気迫る、尋常でない迫力。調べてみたら、亡き脚本家、砂本量の相棒最後の作品、だったんですってね。共同執筆は瀬巻亮太)
ゲストは、小日向文世 山下容莉枝 奥貫薫 高橋一生。
演じる皆様も、人の心の片隅に住む、暗黒面をあぶりだし、絶品でした。
とくに、前編のクライマックス、特殊効果で表現された雲の感じとか、小日向文世の囁き。
絶命後の血痕が、まるで悪魔の羽のように広がる感じとか… 思わず、ゾクリ
知らなかった大きな才能に、ただただ、平身低頭。
機会あって見ることができ、とても嬉しいです。ご冥福をお祈りします
なんて、大盤振る舞いの贅沢な再放送
「なに、これ?!」と驚嘆。アングリしてる今日この頃です。
一見。軽くはじまっても、深い深い…
昨日は、6百万届け出た、正直にいさんの波紋。
大金の魔性に、ちゃっかりさん達の「あわよくば…」な強欲ぶり(冒頭は、かなりコミカル)に始まり、コトが二転三転していくし… 意表をつく展開の嵐。
でも、個人的に、印象深かったのは、前回の前後編。「悪魔の囁き」
圧倒されました。ひょっとして「羊たちの沈黙」や「MONSTER」にも匹敵する、まさに、サイコホラーサスペンスの傑作!
(あまりにも鬼気迫る、尋常でない迫力。調べてみたら、亡き脚本家、砂本量の相棒最後の作品、だったんですってね。共同執筆は瀬巻亮太)
ゲストは、小日向文世 山下容莉枝 奥貫薫 高橋一生。
演じる皆様も、人の心の片隅に住む、暗黒面をあぶりだし、絶品でした。
とくに、前編のクライマックス、特殊効果で表現された雲の感じとか、小日向文世の囁き。
絶命後の血痕が、まるで悪魔の羽のように広がる感じとか… 思わず、ゾクリ
知らなかった大きな才能に、ただただ、平身低頭。
機会あって見ることができ、とても嬉しいです。ご冥福をお祈りします
by noho_hon2
| 2008-08-07 08:24
| ドラマ
|
Trackback
|
Comments(7)
noho_hon2 さん,おはようございます。
貴女のようなおおらかな人に「悪魔の囁き」の凄さがわかるとは!
ふつうの女性は,気持ち悪がりますよ。「ううっ,嫌だ」と言います。
レクター博士の凄さもおわかりのようですね。
もしかしたら,貴女自身も「魔性の女」で,奥貫薫ではないけれども,悪に魅せられているのかな。そう想像するのは,恐いなぁ。
気持ち悪さの筆頭と言ったら,何と言っても『薔薇の名前』でしょう。20年以上前の作品ですが,ショーン・コネリーがシャーロック・ホームズ役をやっています。
舞台は,近世初期のイタリアの修道院。思想史まで描いてしまった傑作です。
ご覧になったことがおありですか?
もしなかったら,ぜひDVDか何かで,観てください。
ところで,ミスター・パンプキンは,ホラーものは観ますか?
摂田 寛二(Kanji Setsuda):チャングム評論家
貴女のようなおおらかな人に「悪魔の囁き」の凄さがわかるとは!
ふつうの女性は,気持ち悪がりますよ。「ううっ,嫌だ」と言います。
レクター博士の凄さもおわかりのようですね。
もしかしたら,貴女自身も「魔性の女」で,奥貫薫ではないけれども,悪に魅せられているのかな。そう想像するのは,恐いなぁ。
気持ち悪さの筆頭と言ったら,何と言っても『薔薇の名前』でしょう。20年以上前の作品ですが,ショーン・コネリーがシャーロック・ホームズ役をやっています。
舞台は,近世初期のイタリアの修道院。思想史まで描いてしまった傑作です。
ご覧になったことがおありですか?
もしなかったら,ぜひDVDか何かで,観てください。
ところで,ミスター・パンプキンは,ホラーものは観ますか?
摂田 寛二(Kanji Setsuda):チャングム評論家
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noho_hon2 at 2008-10-19 07:17
やはり、第一級作品に、狂気は欠かせない要素、だと思います。黒澤作品なぞ、めちゃくちゃ秀逸、ですものねぇ>ゴンゾウ評論家 さん
許されないけれど、誰もが心にもってるサムシングを開放できるのがエンタメなのかもしれませんね。
ただ、根がきわめて小心ゆえ、表現的なグロには抵抗感。よって評判をききつつ、機会があれば… なのでした (;^◇^;)ゝ
許されないけれど、誰もが心にもってるサムシングを開放できるのがエンタメなのかもしれませんね。
ただ、根がきわめて小心ゆえ、表現的なグロには抵抗感。よって評判をききつつ、機会があれば… なのでした (;^◇^;)ゝ
noho_hon2 さん,おはようございます。
「狂気」と「悪」は,別物です。でも,日本では近いですね。
ところが,海外では「悪魔」の存在が形而上学的に定義されていて,悪魔に由来する「悪」が実に強烈です。
悪魔は,新約聖書でイエスが言っているように,何かと言うと,人の生命を欲しがります。自分に生命を差し出す者に,「力」と「支配力」と「利益」を一時的にもたらしますが,最終的にはその隷従者の生命さえ取り上げてしまいます。
でも,無力感に悩んで居る人には,「力と富」と「支配」がたまらない誘惑になるのですね。悪魔に魂を売る人が,昔から絶えません。
聖書は,悪魔に気を付けよと,何度も警告しています。悪魔に対して無知であってはならない。しっかり勉強しろと言っています。
修道院には,専門の「審問官」や悪魔払いの秘技を身に付けた人も居ます。
ところが,制度化されると,すぐに堕落が起きる。魔女裁判で個人的野心を満たそうとする偽善者が出てしまう。批判の自由が無いと,偽善と悪の支配を防げない。
『薔薇の名前』では,その辺の描写が凄いのです。
度胸のある貴女こそ,悪をしっかり勉強してください。
「狂気」と「悪」は,別物です。でも,日本では近いですね。
ところが,海外では「悪魔」の存在が形而上学的に定義されていて,悪魔に由来する「悪」が実に強烈です。
悪魔は,新約聖書でイエスが言っているように,何かと言うと,人の生命を欲しがります。自分に生命を差し出す者に,「力」と「支配力」と「利益」を一時的にもたらしますが,最終的にはその隷従者の生命さえ取り上げてしまいます。
でも,無力感に悩んで居る人には,「力と富」と「支配」がたまらない誘惑になるのですね。悪魔に魂を売る人が,昔から絶えません。
聖書は,悪魔に気を付けよと,何度も警告しています。悪魔に対して無知であってはならない。しっかり勉強しろと言っています。
修道院には,専門の「審問官」や悪魔払いの秘技を身に付けた人も居ます。
ところが,制度化されると,すぐに堕落が起きる。魔女裁判で個人的野心を満たそうとする偽善者が出てしまう。批判の自由が無いと,偽善と悪の支配を防げない。
『薔薇の名前』では,その辺の描写が凄いのです。
度胸のある貴女こそ,悪をしっかり勉強してください。
(続き)
古い日本には,一神教の神と敵対する悪魔の戦いが無い分,悪の構造が違います。怨霊・悪霊はあるが,どこか人間的で,深い怨みの表現になっています。時に「性悪(しょうわる)」な人間は出てくるが,たいていは浮き世の辛さに負けて罪を犯す人々が主人公です。「悪」がそう無い代わりに「罪」の多様性が豊かなのです。
だから,怪談も質が違う。でも,感覚的な恐さは,日本文化の方が上。「東海道四谷怪談」など,世界一恐い。
中国の「怪談」も面白いが,何しろ妖怪の種類が多い。そして「牡丹灯籠」でも「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」でも,人間的で,どこかロマティックです。
最近は,文化のグローバル化によって,様々な要素がないまぜになっているので,一概に論じるのが難しい。
そんな中で,私は,市川崑監督の映画金田一耕助ものが,特別好きでした。「犬神家」「手毬唄」「獄門島」「女王蜂」「病院坂」の5作品は,私の宝物。貴女は,ご覧になっていますか?
リアリズムというより,全編これ画家市川崑の描いた「イラストレーション」のオンパレードなのです。絵の素晴らしさが段違い。悪趣味を代表する最高傑作だと思います。
古い日本には,一神教の神と敵対する悪魔の戦いが無い分,悪の構造が違います。怨霊・悪霊はあるが,どこか人間的で,深い怨みの表現になっています。時に「性悪(しょうわる)」な人間は出てくるが,たいていは浮き世の辛さに負けて罪を犯す人々が主人公です。「悪」がそう無い代わりに「罪」の多様性が豊かなのです。
だから,怪談も質が違う。でも,感覚的な恐さは,日本文化の方が上。「東海道四谷怪談」など,世界一恐い。
中国の「怪談」も面白いが,何しろ妖怪の種類が多い。そして「牡丹灯籠」でも「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」でも,人間的で,どこかロマティックです。
最近は,文化のグローバル化によって,様々な要素がないまぜになっているので,一概に論じるのが難しい。
そんな中で,私は,市川崑監督の映画金田一耕助ものが,特別好きでした。「犬神家」「手毬唄」「獄門島」「女王蜂」「病院坂」の5作品は,私の宝物。貴女は,ご覧になっていますか?
リアリズムというより,全編これ画家市川崑の描いた「イラストレーション」のオンパレードなのです。絵の素晴らしさが段違い。悪趣味を代表する最高傑作だと思います。
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noho_hon2 at 2008-10-20 07:47
あまりにも、アバウトなとらえかたで失礼いたしました。たしかに善悪や恐怖関係は文化によって、うんと違いがありますもんね。勉強し直します>ゴンゾウ評論家 さん
じつは私が、根が小心の怖がりぃなもので、サスペンスフルなものは、きわめて未知の分野。よって、機会に乏しい分。豊かな知識が嬉しかったです。
とくに「無力感に悩んで居る人には,「力と富」と「支配」がたまらない誘惑になるのですね」という見解は、男性のキモチとして女性のモノサシとは異なるだけに、な~るほど! 新鮮だったです。本当に、ありがとうございました
じつは私が、根が小心の怖がりぃなもので、サスペンスフルなものは、きわめて未知の分野。よって、機会に乏しい分。豊かな知識が嬉しかったです。
とくに「無力感に悩んで居る人には,「力と富」と「支配」がたまらない誘惑になるのですね」という見解は、男性のキモチとして女性のモノサシとは異なるだけに、な~るほど! 新鮮だったです。本当に、ありがとうございました
このところ「講義」が続いて,すみません。
悪や罪や狂気を論じるばかりではいけないのでした。人間を論じなければいけないのでした。
悪魔にたぶらかされるにせよ,怨みに我を忘れるにせよ,狂気に支配されるにせよ,いつでも罪の犠牲になるのは個々の人間だと言うことです。本当なら,悪魔を罰すべきです。怨みを罰し,狂気をこそ責めるべきです。
しかし,罪を犯した個人に償わせるのが,一般的です。
罪人を殺せばすむという野蛮な文化を,ドストエフスキーは一番嫌悪していました。何があっても,人を殺してはいけないというのが,彼の悲痛な叫びです。
もっともらしい理由をつけて人を殺したがるのは,悪魔の特性です。聖書でイエス・キリストがそう定義しています。目には目を,歯には歯を,生命には生命をという原始的な報復主義に異を唱え,自ら潔く罪を認め悔い改めた者を,神の愛によって救うとしています。
『相棒』や『ゴンゾウ』にそこまでの思想があるとは言いませんが,人間を見る目の厳しさと優しさにいつも感心しています。
摂田 寛二(Kanji Setsuda):チャングム評論家
悪や罪や狂気を論じるばかりではいけないのでした。人間を論じなければいけないのでした。
悪魔にたぶらかされるにせよ,怨みに我を忘れるにせよ,狂気に支配されるにせよ,いつでも罪の犠牲になるのは個々の人間だと言うことです。本当なら,悪魔を罰すべきです。怨みを罰し,狂気をこそ責めるべきです。
しかし,罪を犯した個人に償わせるのが,一般的です。
罪人を殺せばすむという野蛮な文化を,ドストエフスキーは一番嫌悪していました。何があっても,人を殺してはいけないというのが,彼の悲痛な叫びです。
もっともらしい理由をつけて人を殺したがるのは,悪魔の特性です。聖書でイエス・キリストがそう定義しています。目には目を,歯には歯を,生命には生命をという原始的な報復主義に異を唱え,自ら潔く罪を認め悔い改めた者を,神の愛によって救うとしています。
『相棒』や『ゴンゾウ』にそこまでの思想があるとは言いませんが,人間を見る目の厳しさと優しさにいつも感心しています。
摂田 寛二(Kanji Setsuda):チャングム評論家
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noho_hon2 at 2008-10-21 08:39
たしかに、ドラマで見るべきものは、あくまで人間、なのかもしれませんね>ゴンゾウ評論家さん
『罪と罰』は、きわめて頭でっかちな観念から究極の選択をした主人公が、やがて頭では割り切ったはずが、心と身体がストライキ? どよよ~ん状態になり、結局、大いなる存在や、女性の慈愛に光明をみる?展開が印象に残ってます(うろおぼえゆえ、すみません)
『相棒』や『ゴンゾウ』は緻密なミステリーの秀逸さ、に加え、全体に流れる、人間を見る目のたしかさと、根底に流れる愛と正義感が、じつに素敵ですね。まったく同感です (^-^*)
『罪と罰』は、きわめて頭でっかちな観念から究極の選択をした主人公が、やがて頭では割り切ったはずが、心と身体がストライキ? どよよ~ん状態になり、結局、大いなる存在や、女性の慈愛に光明をみる?展開が印象に残ってます(うろおぼえゆえ、すみません)
『相棒』や『ゴンゾウ』は緻密なミステリーの秀逸さ、に加え、全体に流れる、人間を見る目のたしかさと、根底に流れる愛と正義感が、じつに素敵ですね。まったく同感です (^-^*)