2008年 11月 19日
プロフェッショナル 大谷るみ子 |

前回の次週予告で見た時、「認知とされたお年寄りが、彼女には心を開く」さま。
実際、無邪気な笑顔を見せる、そのミラクルな仕事ぶりに大きな興味をもちました
印象的だったのは、彼女の“人に対する向き合い方”!
たとえ、家族がギブアップして施設を頼るほど認知症が進んだとしても
「すべて分からなくなることはない。感じる心は残っている」と確信
「問題行動は、当人が最も戸惑ってるがゆえの、あらわれ(で、必ずや理由がある)」という発想と解釈には、まったくもって、目から鱗!
とくに「正しい理解… 出来なくなったことを把握して、物理的にサポート。でも、なにより、心の苦しさを察し、よりそう、励ましてさしあげる」実際図は、まるで、ナウシカと、野生キツネリスとの印象的なシーン。
たとえ、指を噛みつかれても「ほら、怖くない…」と、優しく声かけて、いつしか心が通う場面にも似て、感動ヒシヒシ…だったのでした
なかでも、心に残ったのは「相手の世界にお邪魔させていただく」という姿勢!
対談でも「楽しいですよ」と断言。その、嘘偽りのない輝く表情。心底、頭が下がるばかり… だったのでした。
素朴な疑問。それは、どこから? なにが、きっかけで?との疑問も
じつは、優秀な看護士として長年、情熱に燃えて勤務。だけど、挫折しかかった暗中模索な時代も
しかし、介護先進国のデンマークだっけ? そちらの実際を見て、発想と姿勢が変わった経緯に「…なるほどなぁ」
デンマークでの発想。グループホームに入所される人は、「人生のリックサック」をしょって来られるので、スタッフは、「そのリックの中身が何かを知らなければならない」には、考えさせられるもの大!ですよね
その方の歴史。生活習慣。好きなもの… そういった諸々を尊重し、可能な範囲で再現した部屋には「…す、すごいっ!」だったのでした。
(とくに、ジャズがお好きな方に、そういう音楽を提供できる環境を再現するとは… 根本的に違うし、圧倒的に進んで!て圧倒)
大谷さんの、仕事の実際… 手帳が示すよう、膨大な仕事量の中。必要と感じれば、徘徊するおばあさんに辛抱強く、つきあう部分。意味不明でリフレインな言葉の中。「心を感じて」よりそう姿は、なんだか、山田詠美の「トラッシュ」の一場面。
「もしも、愛があるとしたら“おはよう”のヒトコトでもいい、何らかの“言葉をひきだしてあげること”」って旨を連想してしまったなぁ…
(恋人と暮らし、いわゆる、ステップファミリー状態。途中から縁が生じた子と心を通わせる名場面)
また番組は、大谷るみ子のミラクルぶりに終始せず、“人を育てる”さま…
とくに、番組終盤。目をかけた新人・介護士の男性が、奮闘する様子と、それを見守る姿にスポットを当ててたのもヨカッタです
「私も多くの失敗をしました。でも、その中から、教えてられたのです。一見。彼がお世話してるように見えて、じつはお世話されてる側に、とても多く教えてるのですよ」みたいな言葉に深い英知が…
逐一のアドバイスでなく、本人が“気づく”のを待つ姿勢…
そのあたり。彼女の器の大きさを知る思い、でした。
個人的に、私が介護にかかわったのは、ヘルパー2級のライセンス取得のため
必要知識を学び、ほんのわずか、実習として施設にいき、先輩の見習で訪問介護をさせていただいたのですが、その経験もあいまって、改めて大いに考えさせられるものがあったのでした。
その時の講師の方が、少しだけ“雰囲気が似てる”のも、ふと興味深かったりしてね。(なぜか不思議なほど、ピュアな少女性と、肝っ玉母さんチックな要素が共存してる)
現場のあまりにも膨大な仕事量。ひょっとすると、「介護は、ファンタジー」という発想に、抵抗を感じるむきもあるかもしれません。でも、たしかに相手の世界に“お邪魔させていただく”とき、それは確かに大いなるファンタジーかもしれませんね
いい番組でした。いろいろな意味で考えさせられたのでした
by noho_hon2
| 2008-11-19 08:33
| テレビ
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