3月のライオン

やはり、勝負師モノは、なにか秘めた事情（それこそ場合によっては、名人に憑依されたり、←「ヒカルの碁」）と、隠れた大きな才をもった主人公が、よく似合う！

基本的に、将棋に暗い私…
知ってるのは、昨年度、ドラマ化された、すちゃらか、なのに、熱血めらめらな「ハチワンダイバー」に笑い転げたり

「プロフェッショナル」の、森内 VS 羽生　名人戦　に感心したり

「ハチクロ」で大ヒットを飛ばしたあとの羽海野チカが、次にどういう作品にとりくむのかな？と思ってたら、意外や意外 。このジャンルだったとは
　
主人公・桐山零は、親を事故でなくし、引き取り先でも、養父に愛されたいための将棋が、その家族に亀裂を生んだり、と、かなりハードな事情を抱えた青年

だけど、そこは羽海野ワールド。勝負と、さまざまな人との出会いによって、成長していくさま、才気をもった者ならでは、の機微がヨイです。孤高な領分で頭角をあらわす、繊細な表現は、やはり彼女の独壇場

とても、ざっくりいうと、「どろろ」やハガレンじゃないけれど、対戦しつつ、（本来もってるべき、失われたなにかを）「取り戻していく」物語、でしょうか？

主役が、とてもヒリヒリしたものを抱えてる分。今度は美大キャンパスならぬ、大家族感のある三姉妹が、羽海野ティスト。とても魅力的だし、優しい空気に満ちてます

女性漫画家が描くには珍しいぐらい、胸や腕に、ふくよか感ある、大母性な長女、あかり。妹キャラの次女・ヒナ。オコサマ感にあふれた、チビちゃん。三女のモモと、バラエティ豊か。

「打ち負かし」感でなく「よみがえり」が、このジャンルとしては新鮮な斬りクチかな？　

対戦相手も、じつにキャラがたってます。
きくところによると「羽海野チカ初の、青年誌作品」とのこと
従来にない、新境地を開拓しそうな予感ヒシヒシ